テレビ離れ、新聞離れは、草の根では随分昔から囁かれていましたが、近頃は、ネットのおかげで大っぴらに言われるようになりました。
そうなると、ネット情報とともに夕刊紙や週刊誌などの記事の中に、玉石混交などと言われながらも、きらりと光る「玉」がときどき現れることに、私、「野次パピ」子(し)は気づきました。
今日は、ここのところしばらく遠ざかっていた、かっての私の愛読紙「日刊ゲンダイ」を久し振りに読んでみました。
いやはや、相変わらずですな、その激しい偏向ぶりは。
あっちに気を使い、こっちに気を使い、のサラリーマン根性丸出しの大新聞にはない、荒々しい偏向振りがいっそ潔いです。
●まず政治欄から。
一面トップにどでかい活字で
「野田首相のアタマは完全におかしい」
「民主党は首相を代えろの声」
ですからね。ほんと、楽しいです♪
その一方で
「なぜ小沢一郎は決起しない」
と、この新聞の小沢一郎好きは相変わらずです。
「消費税アップなら民主党議員は軒並み落選」
こういう見出しもあります。これは民主党を非難しているのではなく、民主党を心配しているのです。
日刊ゲンダイは「民主党の機関紙」の評もあるほどの民主党びいきで有名ですが、この点も相変わらずです。
ジャンク・ジャーナリズムは健在です。
●二面政治欄の下の方に、今回の芥川賞の記事がありました。
私は受賞者の一人、田中慎弥氏の「貰ってやった」「気の小さい選考委員(石原知事のこと)---」発言をいきなり聞いてしまったために”なんて失礼な奴だ!”と単純に思ってしまいました。
しかし、この記事を読むと、その前に石原氏が候補作を「バカな作品ばかりだよ」と言ってたんですね。田中氏はそれに反発して、ああいう発言をしたんだ。それなら話が分かります。
そして「日刊ゲンダイ」子は、石原氏について「文壇では石原氏の感性の鈍化が原因という見方が強い」と書いています。
記事はこうでなくてはね。
聖域を作らず、本音をズバッと書きましょう。この記事は石原氏をはっきり「老害」だと書いているわけです。えらい!
但し、石原氏の意見が正しいか、文壇のうわさが正しいかの判定は、また別の問題です。受賞作を読んでから「野次パピ」子自身で判断させていただきますよ。
●お次は、5面の「大阪市職員の生き地獄」記事です。
左翼に乗っ取られて、お手盛りのやりたい放題だったと伝えられる大阪市役所。市役所の幹部が市長選挙で飛び回っていたことは、どのマスコミでも報じていたようですから事実なのでしょう。完全な公務員法違反です。
しかし日刊ゲンダイはその市役所に同情するスタンスで記事を書いています。ここにもこの新聞の立場がよく出ています。
しかし一般読者は「橋下市長はよくやっているな」という感想しか持たないでしょうね。
●上記記事のすぐ下には、ちゃんと重要な記事も出ています。
「それでも ヘッジファンド資産 過去最高 米調査会社」
2011年末現在で世界のヘッジファンドの運用資産は2兆81億ドル(154兆円)と最高を記録。前年末より907億ドル増えた。内訳は資本流入が706億ドル、運用利益が201億ドルだった。
というものです。
2兆ドルの運用で201億ドルの運用益ですから、この世界的な不況化、ちゃんと1%の利益を出しているわけです。
大したもの、と言いたいところですが、ヘッジファンドが暴れまわっているお陰で世界中が不況に陥っていることを忘れてはいけません。
ヘッジファンドにお金を供給している輩が悪の元凶で、こいつらは相変わらずのさばっていることがこの記事から分かります。
金融不況はまだまだ続きそうです。
●7面には、ある意味で興味深い記事が二つ出ています。
(1)経済学者、高橋乗宣氏の「日本経済 一歩先の真相」は、いつも頓珍漢なことを書いていて、読むたびに落胆させられますが、今日は「東大 秋入学 の独りよがり」という、これも陳腐な批判記事です。
入試合格から入学までに半年間の空白時期が発生するのを、勤労体験の期間にする、という案は中途半端だからやめろと批判するのは良いのですが、併せて、中学・高校の運営に影響するから止めろとは情けない。まるで役人の発想です。
どうせ批判するなら、例えば、ただでさえ長いモラトリアム期間がますます長くなるから履修期間を3年半にしろとか、東大には必要ないかもしれないが、レベルの低い大学では、半年の空白期間に基礎学力の補修をしたらどうかとか、どうせ入学したらアルバイト漬けになるんだから勤労体験なんて必要ないとか、そういう現実を踏まえたことを言ってほしいです。
(2)ジャーナリスト井上久男「パナソニック・ショック」第五回「開発陣が韓国企業に逃げる末期症状−かくなるうえは”松下政経塾”政権にすがるしかない−」は、よく調べた、読み応えのある記事です。
さすがフリーのジャーナリストはしっかりした仕事をしますね。
パナソニックが凋落して、一方、パナソニックの創業者、松下幸之助さんがつくった松下政経塾が民主党政権で首相まで出して”わが世の春”を謳歌している、という対比の指摘は秀逸です。
こういう指摘に接すると、新聞を読む喜びを感じます。
●10面の株コーナーの推奨銘柄は五洋建設。
チャートを見ると、相も変わらず、既に値上がりした株を、震災復興関連だからもっと上がる、と推奨しています。
値上がりした株を勧める、いつもの手口です。こういうところも相変わらずですね。
この記事を「売り推奨銘柄」ととらえる向きもあるかもしれませんな。アハハ。
●きりがないので、最後に私の一番のお気に入りの、13面読書コーナーを覗いてみましょう。
中場利一「雨の背中」---八方破れな男と薄幸な年下女の情愛物語、だそうです。趣味じゃないなあ。
海堂 尊 「極北ラプソディ」---外科医を主人公にしたシリーズものらしいです。この手の話が好きな人はいるでしょうね。
浅暮三文「やや野球ども」---冴えない”超能力者”の風変わりな野球小説、だそうです。私の感想はありません。
五木寛之さんの連載エッセー「流されゆく日々」はまだ続いています。
なんと連載8871回ですぞ!
もういい年なのによく働きますな、この方は。(石原都知事と同じ1932年生まれだそうです。今年80歳!)、
(以上)




